CICS Explorer SDK を使用したアプリケーションの開発

CICS Explorer® Software Development Kit (SDK) は、OSGi および Web プロジェクトのサポートを含め、CICS® に Java™ アプリケーションを開発して配置するための環境を提供します。

このタスクについて

SDK を使用して、OSGi 仕様に準拠するように、新しいアプリケーションを作成したり、既存の Java アプリケーションを再パッケージ化したりできます。 OSGi Service Platform には、コンポーネント・モデルを使用してアプリケーションを開発し、それらのアプリケーションを OSGi バンドルとして 1 つのフレームワークにデプロイするためのメカニズムが用意されています。 OSGi バンドルはアプリケーションの配置の単位であり、バージョン管理情報、依存関係、およびアプリケーション・コードが含まれます。OSGi の主な利点は、Java パッケージ と呼ばれる明確に定義されたインターフェースを介してのみアクセスされる再使用可能コンポーネントから、アプリケーションを作成できることです。その後、OSGi サービス を使用して、Java パッケージにアクセスできます。また、きめ細かい方法で、Java アプリケーションのライフサイクルと依存関係を管理することもできます。OSGi を使用したアプリケーションの開発については、OSGi Alliance の Web サイトを参照してください。

また、SDK を使用して、Java サーブレットと JSP ページが含まれる動的 Web プロジェクトおよび OSGi アプリケーション・プロジェクトを処理することもできます。JCICS を使用して CICS サービスにアクセスする、最新の Web レイヤーおよびビジネス・ロジックを備えたアプリケーションを作成できます。Web アプリケーションで別の OSGi バンドルからのコードにアクセスする必要がある場合は、そのアプリケーションを OSGi アプリケーション・プロジェクト (EBA ファイル) としてデプロイする必要があります。他の OSGi バンドルをアプリケーション・マニフェストに組み込むか、他のバンドルを共通ライブラリーとして Liberty bundle_repository にインストールする必要があります。EBA ファイルは、アプリケーションへのエントリー・ポイントを提供し、それを URL として Web ブラウザーに公開するために、Web 対応 OSGi バンドル (WAB ファイル) を含んでいる必要があります。

SDK を使用して、CICS のサポートされるリリースで動作する Java アプリケーションを開発できます。異なるリリースの CICS は、別々のバージョンの Java をサポートします。また、JCICS API も、CICS の機能をさらにサポートするように後のリリースで拡張されています。間違ったクラスの使用を防ぐために、SDK にはターゲット・プラットフォームをセットアップする機能があります。 どのリリースの CICS 用に開発するかを定義すると、SDK は、使用できない Java クラスを自動的に非表示にします。

SDK ヘルプには、アプリケーションを開発/配置するための各ステップの実行方法についての詳細が説明されています。

手順

  1. Java 開発用のターゲット・プラットフォームをセットアップします。 詳細な指示については、JCICS のサンプルの作成またはサーブレットのサンプルの作成の関連するステップを参照してください。

    ターゲット・プラットフォームを使用すると、アプリケーション開発において CICS のターゲット・リリースに適した Java クラスだけを確実に使用することができます。

  2. Java アプリケーション開発用の OSGi バンドル・プロジェクトまたはプラグイン・プロジェクトを作成します。
    1. プロジェクトのデフォルト・バージョンは 1.0.0.qualifier です。「バージョン」フィールドで、バージョン番号の最後から「.qualifier」を除去します。修飾子は現在サポートされていません。
  3. ベスト・プラクティスを使用して、Java アプリケーションを開発します。 CICS 用の Java アプリケーションの開発に慣れていない場合は、CICS Explorer SDK で提供されるサンプルを使用して開発に取り掛かることができます。 Java アプリケーションで JCICS を使用するには、com.ibm.cics.server パッケージをインポートする必要があります。
  4. オプション: アプリケーション・プレゼンテーション層を開発するための動的 Web アプリケーション (WAR) または Web 対応 OSGi バンドル・プロジェクト (WAB) を作成します。 動的 Web プロジェクトにサーブレットと JSP ページを作成できます。WAR ファイルの場合、ターゲット・プラットフォームを変更し、Liberty API バンドルに対するアクセス権を得る必要もあります。詳細については、開発環境のセットアップを参照してください。
  5. 以下のようにして、配置用にアプリケーションをパッケージ化します。
    1. Web 対応 OSGi バンドル・プロジェクト (WAB) をデプロイする場合は、OSGi アプリケーション・プロジェクト (EBA) を作成します。
    2. EBA または Web アプリケーション (WAR ファイル) を参照するための、1 つ以上の CICS バンドル・プロジェクトを作成します。 CICS バンドルは、CICS におけるアプリケーションの配置単位です。まとめて更新および管理する Web アプリケーションを、1 つの CICS バンドル・プロジェクトに入れます。アプリケーションの配置先の JVMSERVER リソースの名前を知っている必要があります。

      CICS リソースのサブセットも、PROGRAM、URIMAP、および TRANSACTION リソースなどの CICS バンドル・プロジェクトに追加できます。これらのリソースは、動的にインストールされ、アプリケーションの一部として管理されます。

    3. オプション: アプリケーションを CICS プラットフォームに配置する場合は、CICS バンドルを参照するアプリケーション・プロジェクトを作成します。 アプリケーションにより、CICSplex 全体にわたってアプリケーションを配置および管理するための単一管理ポイントが CICS に提供されます。 詳しくは、CICS TS V5.2 製品資料内の『デプロイ用のアプリケーションのパッケージ化』を参照してください。
  6. アプリケーション・プロジェクトまたは CICS バンドル・プロジェクトをエクスポートすることにより、Java アプリケーションを zFS に配置します。あるいは、配置用にソース・リポジトリーにプロジェクトを保管することもできます。

タスクの結果

これで、CICS Explorer SDK を使用したアプリケーションの開発とエクスポートが正常に完了しました。

次のタスク

アプリケーションを JVM サーバーにインストールします。 CICS 内にリソースを作成する権限がない場合は、システム・プログラマーまたは管理者にアプリケーションの作成を依頼します。 システム・プログラマーまたは管理者には、エクスポートしたバンドルがある場所とターゲット JVM サーバーの名前を伝える必要があります。 詳しくは、JVM サーバーへの OSGi バンドルの配置を参照してください。サード・パーティーの OSGi バンドル (WebSphere® MQ など) を Eclipse 開発環境に追加するために、ターゲット・プラットフォームを更新しなければならない場合もあります。ターゲット・プラットフォームの更新を参照してください。