アプリケーション・デプロイメントのワークフロー

プラットフォームをセットアップし、アプリケーションを作成するには、以下のプロセスに従います。

このタスクについて

CICS® では、アプリケーションを複数の CICS 領域にデプロイして管理するためのプラットフォームをセットアップできます。CICS Explorer® または CICS Explorer SDK を使用して、アプリケーションを管理するためのプラットフォーム、アプリケーション、およびポリシーを作成します。 プラットフォームを作成するには、CICS 領域を管理するために、CICSPlex® SM を使用する必要があります。

手順

  1. プラットフォームを作成してインストールします。 1 つのプラットフォームを使用して複数のアプリケーションをデプロイできます。 既にプラットフォームをセットアップしている場合、ステップ 2 にスキップします。
    1. プラットフォーム・ホーム・ディレクトリー用の専用ファイル・システムを z/OS® UNIX にセットアップし、ファイル・システム・セキュリティーと FTP セキュリティーをセットアップします。 zFS でのプラットフォーム・ホーム・ディレクトリーの作成を参照してください。
    2. CICS プラットフォーム・プロジェクトを作成して、プラットフォームについて記述します。CICS プラットフォーム・プロジェクトの作成を参照してください。 同様のまたは同一のプロパティーを持つ CICS 領域は、プラットフォーム内で領域タイプとしてグループ化できます。 プラットフォーム・プロジェクトを作成した後、それを編集できます。
    3. CICS プラットフォーム・プロジェクトを z/OS UNIX ファイル・システムにエクスポートし、プラットフォーム定義 (PLATDEF リソース定義) を作成してプラットフォーム・バンドルをターゲット CICSPlex にリンクします。 また、プラットフォームに必要なすべての CICS 領域を作成します。 CICS プラットフォーム・プロジェクトのデプロイを参照してください。
    4. ターゲット CICSPlex にプラットフォーム定義をインストールし、そのプラットフォームを使用可能にします。 プラットフォーム定義のインストールとプラットフォームの使用可能化を参照してください。
    5. プラットフォームが使用できることを確認します。 プラットフォームの状況の確認を参照してください。
  2. プラットフォームにデプロイするそれぞれのアプリケーションで、アプリケーションのコンポーネントを定義またはインポートする CICS バンドルを作成します。これらのタスクに関する指示は、バンドルの作業のセクションにあります。
    1. アプリケーションの各コンポーネントのリソースを保管するための CICS バンドル・プロジェクトを 1 つ以上作成します。 CICS バンドル・プロジェクトの作成を参照してください。
    2. アプリケーションへのアクセスを提供するリソースに対して CICS バンドルにアプリケーション入り口点を定義します。 アプリケーション・エントリー・ポイントの定義を参照してください。 アプリケーション入り口点は、アプリケーションの異なるバージョンへのユーザーのアクセスを制御し、また CICS がアプリケーションのタスクのためのリソース使用量を測定して制御することを可能にします。
    3. アプリケーション・リソースのリソース定義を CICS バンドルに追加します。 CICS バンドルへのリソースの追加を参照してください。 これらのリソースは、アプリケーションをプラットフォームにインストールするときに、CICS 領域で動的に作成されます。また、CICS バンドルを介して管理されます。 専用リソースとしてサポートされる CICS リソースを使用するアプリケーションは、アプリケーション用に設計されたその他のリソースやインポートされたリソースと組み合わせることにより、より精錬された管理機能を活用しつつマルチバージョン管理を行うことができます。 リソース定義を作成した後にそのリソース定義を編集する必要が生じた場合、CICS バンドルで定義されたリソースの編集を参照してください。
    4. アプリケーションを実行するためにプラットフォームで使用可能にする必要がある、CICS バンドルの外部にある他のリソースについての依存関係をすべて宣言します。 マルチバージョン管理がサポートされない必要なリソースのためにインポート・ステートメントを組み込みます。 バンドル依存関係の定義を参照してください。
  3. プラットフォームでアプリケーションを管理するためのポリシー・ルールを格納するポリシーを作成します。 ポリシー・ルールは、プラットフォーム内で実行される 1 つ以上のアプリケーション・タスクに適用できる制御またはアクションを記述します。 ポリシーは、プラットフォーム・レベルでデプロイしてプラットフォームのすべてのアプリケーションに適用することも、アプリケーション・レベルでデプロイすることもできます。
    1. ポリシーを格納するための CICS バンドル・プロジェクトを 1 つ以上作成します。 CICS バンドル・プロジェクトの作成を参照してください。 CICS バンドルには、複数のポリシーを含めることができます。
    2. ポリシーを作成し、適切なポリシー・ルールを指定します。 CICS バンドル・プロジェクト内でのポリシーの作成を参照してください。 さらにルールを追加するには、CICS バンドル・プロジェクト内のポリシーへのルールの追加を参照してください。 カスタム異常終了コードを追加するには、ポリシー・ルール内の異常終了コードのカスタマイズを参照してください。
  4. プラットフォームにデプロイするそれぞれのアプリケーションで、アプリケーション・バンドルとアプリケーション・バインディングを作成してエクスポートします。CICS Explorer はアプリケーションおよびアプリケーション・バインディングを検証するために CICS プラットフォーム・プロジェクトを必要とするため、アプリケーションを操作する際に、ターゲット・プラットフォームのこのプロジェクトがローカル・ワークスペースに存在していることを確認してください。
    1. CICS アプリケーション・プロジェクトを作成し、アプリケーション・リソース、依存関係、およびアプリケーション固有のポリシーを格納する CICS バンドルをパッケージ化します。CICS アプリケーション・プロジェクトの作成を参照してください。 アプリケーションのコンポーネント用にステップ 2 で作成した CICS バンドルを組み込みます。
    2. CICS アプリケーション・バインディング・プロジェクトを作成し、アプリケーションの CICS バンドルがプラットフォーム内の領域タイプにマップする方法を指定します。 CICS アプリケーション・バインディング・プロジェクトの作成を参照してください。 アプリケーションとともにデプロイする、ステップ 3 で作成したポリシーを格納する CICS バンドルも組み込みます。 ポリシーをプラットフォームとともにデプロイする場合、その CICS バンドルを CICS アプリケーション・バインディング・プロジェクトに含めるのではなく、CICS プラットフォーム・プロジェクトへのバンドルの追加にある指示に従って、プラットフォームに追加します。
    3. アプリケーション・バンドルおよびアプリケーション・バインディングを z/OS UNIX ファイル・システムにエクスポートし、アプリケーション定義 (APPLDEF リソース定義) を作成して特定のプラットフォームにアプリケーションを定義します。 CICSアプリケーション・プロジェクトのデプロイを参照してください。
  5. プラットフォームにデプロイする各アプリケーションをインストールして使用可能にします。
    1. アプリケーション定義をインストールしてアプリケーションを使用可能にし、使用するためにアプリケーションを選択できるようにします。 アプリケーションのインストール、使用可能化、および選択可能化を参照してください。
    2. アプリケーションが使用できることを確認します。 アプリケーションの状況の確認を参照してください。
    3. アプリケーションに適用するポリシー・ルールを検証します。 ポリシー・ルールの照会を参照してください。
  6. プラットフォーム内の各アプリケーションをモニターおよび保守します。
    1. プラットフォームまたはアプリケーションで問題が起きている場合は、「クラウド・エクスプローラー」ビューを使用して、プラットフォームについては CICS 領域と CICS バンドルの状況を確認し、アプリケーションについては CICS バンドルの状況を確認します。 インストールされているアプリケーションに関する詳細 (専用リソースやアプリケーション入り口点を含む) を確認するには、アプリケーション名をダブルクリックしてオンライン・アプリケーション・エディターでそのアプリケーションを開きます。 プラットフォームの状況の確認およびアプリケーションの状況の確認を参照してください。
    2. ワークロードの変化に対応するため、アクティブなプラットフォームのキャパシティーをスケールアップまたはスケールダウンしたり、プラットフォームのアーキテクチャーを変更したりするには、「クラウド・エクスプローラー」ビューを使用してプラットフォーム内の領域タイプに CICS 領域を追加するか、領域タイプから CICS 領域を除去します。 領域タイプへの CICS 領域の追加および領域タイプからの CICS 領域の除去を参照してください。
    3. ポリシーの指示どおりに、CICS は、アプリケーションのタスクの動作を自動的にモニターし、応答します。 プラットフォームが使用可能な間、プラットフォームのポリシーを追加および削除できます。 CICS プラットフォームへのバンドルの追加および CICS プラットフォームからのバンドルの削除を参照してください。
    4. アプリケーションに関して生成されたアプリケーション・コンテキスト・データを使用して、アプリケーションがどのくらいのリソースを使用しているかをモニターおよび測定します。 また、この情報を CICS Explorer のトランザクション・トラッキング機能で使用して、アプリケーション関連の問題を識別して診断することもできます。
    5. アプリケーションを変更するには、アプリケーションのコンポーネントの CICS バンドルを編集してリバージョンした後、アプリケーション・バンドルとアプリケーション・バインディングを更新し、リバージョンし、再デプロイします。 マルチバージョン管理がサポートされるリソースを使用するアプリケーションの場合、同じプラットフォーム・インスタンスにアプリケーションの複数バージョンをインストールして、同時に使用できるようにすることができます。 アプリケーションの更新を参照してください。
  7. あるアプリケーション・バージョンが必要なくなった場合、または使用しているプラットフォームが必要なくなった場合、そのアプリケーション・バージョンまたはプラットフォームを使用不可にして破棄します。
    1. あるアプリケーション・バージョンが必要なくなった場合、そのアプリケーションを選択不可にしてから使用不可にして破棄します。 アプリケーションの選択不可化、使用不可化、および破棄を参照してください。 アプリケーションを使用不可にして破棄すると、アプリケーションの一部としてデプロイされていた CICS バンドルも、バインドされていた CICS 領域タイプ内でも使用不可にされて破棄されます。
    2. プラットフォームが必要なくなった場合、それを使用不可にして破棄します。 プラットフォームを使用不可にして破棄するを参照してください。 プラットフォームを使用不可にして破棄すると、そのプラットフォーム・バンドルを使用してインストールされた CICS バンドル (そのプラットフォームにデプロイしたすべてのポリシーも含む) も使用不可にされて破棄されます。