アプリケーションの状況の確認

アプリケーションの状況情報は、アプリケーションの CICS® バンドルが存在するかどうか、使用可能になっているかどうか、プラットフォーム内の領域タイプに関連付けられた CICS 領域で選択可能かどうかを示します。

このタスクについて

アプリケーション・バージョンの状況情報は、そのアプリケーション・バージョンの個々の管理パートの状況から導き出されます。 管理パートは、アプリケーションのインストール処理中に自動的に作成される MGMTPART レコードです。 管理パートは、アプリケーションとインストールされた各 CICS バンドルの間の関係、およびプラットフォームの中で各 CICS バンドルがインストールされた領域タイプを記録します。

手順

  1. CICS Explorer® メニュー・バーで、「操作」 > 「クラウド・エクスプローラー」をクリックして「クラウド・エクスプローラー」ビューを表示し、アプリケーション階層に切り替えます。 ビューには、各アプリケーションの各バージョンの全体状況が表示されます。
    • アプリケーション・バージョンの管理パートによって参照される CICS バンドルが、CICS 領域にインストールされ、それらのバンドルすべてが使用可能である場合、アプリケーション・バージョンは使用可能になります。アプリケーションのリソースによっては、使用可能になるまで他のリソースよりも時間を要します。 アプリケーションの状況は、すべてのリソースが使用可能になるまでは SOMEDISABLED と報告されます。 「使用可能」アクションを実行した後、初めて「クラウド・エクスプローラー」ビューを最新表示したときにアプリケーション状況として ENABLED が表示されない場合は、少し時間を置いてからビューを再度最新表示し、改めて確認してください。
    • アプリケーション・バージョンが選択可能になると、アプリケーション入り口点、およびそれによって制御されるアプリケーションのリソースを、呼び出し元で選択できるようになります。 現在でも CICS TS 5.1 の CICS 領域がプラットフォームに含まれている場合、使用可能になったアプリケーション・バージョンは、それらの領域内で選択可能であると見なされます。 CICS TS 5.2 の CICS 領域では、アプリケーション・バージョンが使用可能になった後、「選択可能にする」アクションを使用して、そのアプリケーション・バージョンを選択可能にする必要があります。
  2. アプリケーション・バージョンの全体状況が、予期したとおりでない場合は、アプリケーション・バージョンの管理パートを表示し、個々の CICS バンドルの状況を確認します。 アプリケーション階層を操作対象にしている「クラウド・エクスプローラー」ビューで、アプリケーションの下に表示されている各領域タイプを展開して、その領域タイプの「バンドル」リストを表示してください。 各「バンドル」リストを展開すると、アプリケーションの管理パートが表示されます。 管理パートの状況には、CICS バンドルが CICS 領域で使用可能かそれとも使用不可の状態であるか、または CICS バンドルが適切にインストールされているかどうかが示されます。CICS バンドルが組み込まれたアプリケーション・バージョンが呼び出し元で選択できるようになると、アプリケーション入り口点が含まれる個々の CICS バンドルも選択可能と表示されます。
    ヒント: CICS バンドルまたはそれを含んでいるアプリケーションを選択可能にした時点の後でプラットフォーム内の CICS 領域を始動または再始動した場合、CICS バンドルの選択可能性状況は復元されません。 始動または再始動した CICS 領域でアプリケーションが正しくインストールされて使用可能になっていることを確認したら、適切なバージョンを選択し、その CICS 領域で選択できるようにしてください。
  3. CICS 領域にインストールされたアプリケーション・バージョン専用リソースの状況を確認する必要がある場合は、「クラウド・エクスプローラー」ビューで、アプリケーションの名前をダブルクリックしてそれをオンライン・アプリケーション・エディターで開き、「専用リソース」タブを選択します。 専用リソースがインストールされている CICS 領域別、または専用リソースが定義されている CICS バンドル別に専用リソースを表示できます。 各専用リソースの状況が表示されます。 オンライン・アプリケーション・エディターを使用するためのガイドは、オンライン・アプリケーション・エディターを参照してください。

タスクの結果

図 1 は、アプリケーションのライフサイクルのプロビジョニング段階で実行するアクションと、各シチュエーションに該当する一時的状況、使用可能化状況、選択可能性状況を、可能性のあるエラー状態と共に示しています。
図 1. アプリケーション・ライフサイクル: プロビジョニング
アプリケーションをプラットフォームにデプロイしてインストールし、使用可能にした後に選択可能にします。各シチュエーションに該当する一時的状況、使用可能化状況、エラー状態、および選択可能性状況を、この図の後にリストで説明しています。
  • CICS アプリケーション・プロジェクトをデプロイします。そのためには、zFS 上のプラットフォームのホーム・ディレクトリーに CICS アプリケーション・プロジェクトをエクスポートして、CMAS のデータ・リポジトリー内にアプリケーション・バージョンの APPLDEF リソース定義を作成します。 このプロセスを完了すると、アプリケーション・バージョンのアプリケーション定義の名前が「クラウド・エクスプローラー」ビューに表示されます。
  • アプリケーションをインストールするとき、インストールの進行中は「クラウド・エクスプローラー」ビューに状況 INSTALLING が表示されます。 インストールが完了したときの予期されるアプリケーション状況は、DISABLED、UNAVAILABLE です。 アプリケーションにアプリケーション入り口点がない場合、そのことが「クラウド・エクスプローラー」ビューに選択可能性状況として表示されます。 アプリケーションが CICS TS 5.1 領域にインストールされている場合、選択可能性状況は表示されません。
  • インストール後にアプリケーションの状況として INCOMPLETE、EMPTY、または FAILED が表示された場合は、アプリケーション・エラーの診断の手順に従って問題をトラブルシューティングしてください。
  • アプリケーションを使用可能にするとき、使用可能化の進行中は「クラウド・エクスプローラー」ビューに状況 ENABLING が表示されます。 使用可能化が完了したときの予期されるアプリケーション状況は、ENABLED、UNAVAILABLE です。
  • 「使用可能」アクション後にアプリケーションの状況として SOMEDISABLED または DISABLED が表示された場合は、アプリケーション・エラーの診断の手順に従って問題をトラブルシューティングしてください。
  • アプリケーションを選択可能にすると、アプリケーションの状況は ENABLED、AVAILABLE に変わることが予想されます。 アプリケーションにアプリケーション入り口点がないこと、またはアプリケーションが CICS TS 5.1 領域にインストールされていることをアプリケーションの状況が示している場合、「選択可能にする」アクションは不要です。
  • 「選択可能にする」アクション後にアプリケーションの選択可能性状況として SOMEAVAIL または UNAVAILABLE が表示された場合は、アプリケーション・エラーの診断の手順に従って問題をトラブルシューティングしてください。
図 2 は、アプリケーションのライフサイクルのプロビジョン解除段階で実行するアクションと、各シチュエーションに該当する一時的状況、使用可能化状況、選択可能性状況を、可能性のあるエラー状態と共に示しています。
図 2. アプリケーション・ライフサイクル: プロビジョン解除
アプリケーションを選択不可にし、使用不可にした後に破棄します。
各シチュエーションに該当する一時的状況、使用可能化状況、エラー状態、および選択可能性状況を、この図の後にリストで説明しています。
  • アプリケーションを選択不可にすると、アプリケーションの状況は ENABLED、UNAVAILABLE に変わります。 アプリケーションにアプリケーション入り口点がないこと、またはアプリケーションが CICS TS 5.1 領域にインストールされていることをアプリケーションの状況が示している場合、「選択不可にする」アクションは不要です。
  • アプリケーションを使用不可にするとき、使用不可化の進行中は「クラウド・エクスプローラー」ビューに状況 DISABLING が表示されます。 使用不可化が完了したときの予期されるアプリケーション状況は、DISABLED、UNAVAILABLE です。 あるいは、アプリケーションにアプリケーション入り口点がないこと、またはアプリケーションが CICS TS 5.1 領域にインストールされていることが状況で示される場合があります。
  • 「使用不可」アクション後にアプリケーションの状況として SOMEDISABLED が表示された場合は、アプリケーション・エラーの診断の手順に従って問題をトラブルシューティングしてください。
  • アプリケーションを破棄するとき、破棄の進行中は「クラウド・エクスプローラー」ビューに状況 DISCARDING が表示されます。 破棄が完了すると、「クラウド・エクスプローラー」ビューにアプリケーション名が表示されなくなります。 代わりに、アプリケーション・バージョンのアプリケーション定義の名前が表示されます。
表 1 は、アプリケーション・バージョンの状況を表すために使用される可能性のあるすべての値とそれぞれの意味をリストしたものです。
表 1. アプリケーションの状況値
状況値 意味
AVAILABLE アプリケーション・バージョンはそのアプリケーション入り口点を介して呼び出し元で選択できるようになっています。
DISABLED アプリケーション・バージョンのすべての管理パートは使用不可です。
DISABLING アプリケーション・バージョンのすべての管理パートは、使用不可にするための処理中です。
DISCARDING アプリケーション・バージョンは破棄中なので、この時点で使用可能や使用不可にすることはできません。
EMPTY アプリケーション・バージョンの管理パートはインストールされていません。
ENABLED アプリケーション・バージョンのすべての管理パートは使用可能です。
ENABLING アプリケーション・バージョンのすべての管理パートは、使用可能にするための処理中です。
FAILED アプリケーション・バージョンのインストール中または破棄中に問題が発生しました。
INCOMPLETE アプリケーション・バージョンの一部の管理パートが空であるか、無効なスコープがあります。
INSTALLING アプリケーション・バージョンはインストール中なので、この時点で使用可能や使用不可にすることはできません。
NONE (エントリー・ポイントなし) アプリケーション・バージョンにアプリケーション入り口点がありません。
SOMEAVAIL アプリケーション・バージョンに対して「選択可能にする」または「選択不可にする」アクションが実行されましたが、アプリケーション入り口点の中には選択可能なものと選択不可のものがあります。
SOMEDISABLED アプリケーション・バージョンの一部の管理パートは使用不可です。
UNAVAILABLE アプリケーション・バージョンは呼び出し元に対して選択不可と設定されています。
表 2 は、管理パートの状況を表すために使用される可能性のあるすべての値とそれぞれの意味をリストしたものです。
表 2. 管理パートの状況値
状況値 意味
AVAILABLE CICS バンドルで宣言されたアプリケーション入り口点は呼び出し元で選択できるようになっています。
DISABLED CICS バンドルは、すべての CICS 領域で使用不可です。
DISABLING CICS バンドルは、使用不可にするための処理中です。
EMPTY CICS バンドルは、いずれの CICS 領域にもインストールされません。
ENABLED CICS バンドルは、すべての CICS 領域にインストールされていて使用可能です。
ENABLING CICS バンドルは、使用可能にするための処理中です。
IMPORTONLY CICS バンドルは、すべての CICS 領域にインストールされていて使用可能ですが、インポート・ステートメントしか含まれていないため、アプリケーションの状況には影響しません。
INCOMPLETE CICS バンドルは、いくつかの (ただし全部ではない) CICS 領域にインストールされています。
INVALIDSCOPE CICS バンドルをインストールするために指定された CICS システム・グループが存在しないため、CICS バンドルはインストールされません。
NONE (エントリー・ポイントなし) CICS バンドルにアプリケーション入り口点のステートメントが含まれていません。
SOMEAVAIL CICS バンドルに対して「選択可能にする」または「選択不可にする」アクションが実行されましたが、アプリケーション入り口点の中には選択可能なものと選択不可のものがあります。
SOMEDISABLED CICS バンドルは、一部の CICS 領域で使用不可です。この状況は、インストールされているいずれかの BUNDLE リソースの ENABLEDCOUNT 値が 0 より大きい (CICS バンドルによって作成された 1 つ以上のリソース、アプリケーション入り口点、またはポリシー・スコープが CICS 領域で現在使用可能になっていることを示す) 場合に、すべての CICS 領域で CICS バンドルが使用不可になっているときにも発生します。
UNAVAILABLE CICS バンドルで宣言されたアプリケーション入り口点は呼び出し元に対して選択不可と設定されています。

次のタスク

アプリケーション・バージョンの状況が予期した状況ではない場合、アプリケーション・エラーの診断の手順に従って問題を診断し、修正処置を実行してください。